惟任日向守光秀

日本中世史における明智光秀の実像

2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

濃州余談⑫

「大路渡し」とは、都で朝敵や重罪人を処刑する前に、都を南北にはしる 室町通りを、一条から六条まで荷車にのせて、引廻す行為をいいます。 罪人は必ず2人ずつのせられ、群集が見物するなか、処刑場がある六 条河原まで運ばれ、斬首されました。荒木村重の…

本能寺襲撃の謎にせまる(光秀とその時代⑨)

天正十年、本能寺の変が起き、信長が光秀に討たれます。都での戦 闘地域は比較的限定的ではありました。 しかし多くの人々が避難民となって、禁裏に逃れてきました。これは応 仁の乱でも、ここが焼け残ったように、禁裏は安全地帯であるという、 認識が都の…

濃州余談⑪

一度は光秀らの説得をうけいれた村重でしたが、その釈明の為、安土に 向かう途中によった茨木城で、中川清秀に信長の恐ろしさを吹き込まれ 有岡城に戻り、織田軍との一年間におよぶ籠城戦に突入します。 しかし、清秀は来襲した織田の大軍の前に、あっさりと…

本能寺襲撃の謎にせまる(光秀とその時代⑧)

荒木村重の信長に対する謀反は、光秀にはどう映ったのでしょうか。 長女革手の嫁ぎ先でもあり、信長以上に驚き、困惑した事でしょう。 冷徹な判断力を有する細川藤孝は、以前より本願寺等の動きから、 村重の謀反を予見し、謀反三ヶ条を信長とその近臣に差し…

濃州余談⑩

霜ガレニ 残リテ我ハ 八重ムグラ ナニハノウラノ ソコノミクヅニ 荒木村重の正妻だしが、有岡城から村重のもとに、送った歌です。 八重ムグラとは荒地に繁る雑草のことで、ソコノミクヅ二とは、難波 の浦の海底に沈んでいるゴミを指します。 霜ガレは歌経標…

本能寺襲撃の謎にせまる(光秀とその時代⑦)

光秀と煕子の長女革手は、荒木村重の嫡男村次に嫁ぎ、共に見目麗し く、仲睦まじい夫婦であったといいます。 天正六年十月、荒木村重は突如信長に対し、謀反に至ります。その主な る理由は定かではないが、毛利方からの調略に応じたとみるのが妥当と 思われ…