惟任日向守光秀

日本中世史における明智光秀の実像

濃州余談⑧



オバマ大統領はどんな感情を持って、日本を離れたのだろうか。愉快
ではなかっただろう。日本の現政権のしたたかさが感じられる。

そのしたたかさが民の幸せに繋がる事を期待したい。しかし裏切られた
者は、その屈辱と復讐の念をわすれない事を歴史は証明している。

同盟とか契約とかは、あてにはならない。国と国の関係はパワーバラン
スがすべてを決定する。今川、武田、北条の集合離散をみれば一目瞭
然である。この大勢力はすべて、織田と豊臣により滅ぼされ、彼らも又
長期政権とはなりえなかった。

平成天皇がすべてを理解されたうえで、お役目をはたされたことに敬意
を表したい。昭和天皇に会ったマッカサーが抱いた崇高感を、オバマ
天皇に感じたかどうかはわからない。

信長や光秀の時代の天皇のありかたは、現在とは違う。しかし時の権力
者が、天皇とそこに流れ込む歴史の重みや崇高さを、利用しようと画策す
るのは、どの時代も変わらない。

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