惟任日向守光秀

日本中世史における明智光秀の実像

濃州余談⑨



来日した、オバマ大統領と阿倍首相の共同会見の折、尖閣問題に関し
て、米ABC記者からの「米国は、尖閣諸島への中国の軍事的侵攻に対
して、米軍に一線を超えさせるのか?」という質問に対し、オバマは「仮
定の話には答えられない。」と応えた。

尖閣日米安保条約の適用内にあると明文化はされた。米軍は戦後、
尖閣諸島を軍事訓練の場に使い、航空機や艦船による実弾訓練の場
としてきた。当然、日本の領土であるという認識があったからだろう。

オバマは、もっと強いメッセージを中国に送るべきであった。

中国は欧米列強による植民地支配を経験し、日本との長期にわたる、
戦争により、国土と国民を疲弊させた。

彼らの領土保全意識と拡張願望は、その歴史をみれば一目瞭然であ
る。中国は短期間の間に、旧ソ連、インド、そしてベトナムと領土をめぐ
り、軍事衝突を起こしている。ソ連、インドと全面的な戦争にならなかっ
たのは、それぞれが核兵器を保持していたからであり、ベトナムとは長
期にわたり戦争状態にあった。

オバマの平和志向は崇高である。しかし現実はそのようには動かない
のである。ウクライナやシリアで何が起こっているのかをみれば、オバ
マの無能さが理解できる。今後米国は、ますますその国力を弱め、世
界のリーダーの地位を失うであろう。逆に中国は、GDP世界第一位に
躍り出て、軍事、経済両面で新たなるリーダーの地位を獲得するかも
しれない。

尖閣に関しては、東京都の尖閣取得に始まり、時の野田政権の外交オ
ンチにより、事を複雑にしてしまった。中国も日本との軍事衝突は望んで
いない。最終的にプラスになるものは何もない。しかしその可能性は低
いとはいえない。

米国に頼らず、中国との良好で安定した関係を、構築する努力が必要
である。

日本の右傾化は、最終的には日本を更なる孤立化に向かわせ、日本の
天文学的な財政赤字が解消される事なく、日本を最終局面へと追い込
むであろう。


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